社長コラム「旨いパンとは?」
パン職人をしていたころ、漫然と描いていた目標みたいなものに、職人に認められる職人になる。というものがありました。(敵を知り、己を知れば、百戦危うからず)を地で行く、ベーカリー巡りも休日の日課となり、当時は評判のパン屋があると聞けば、東京でも関西でも、どこでも足を運び、食べ比べたものです。【パンの旨さとは、究極のところ小麦の甘さだ】との結論に至るまでどれだけのバゲットを食べただろう。
職人の技として、良い小麦粉を選ぶのはもちろんですが、小麦粉はたっぷりの水を吸わせて寝かせることで甘みを増すので、必然的に長時間熟成製法にたどり着きます。
あまり練らないのも技術の一つで、一般的にパン作りは良く捏ねると言われますが、熟練の技術者になればなるほどパン生地を捏ねない、練らないことが技術です。
東京の西葛西に、日本パン技術研究所なる業界の権威機関があります。様々な角度からパン業界の発展を図り、研究・発表している機関です。
以前、その所長のセミナーを受けた際、「日本のパンは究極のところ食感である」との見解を伺いました。
日本の多くの消費者がパンに求めるものは、(もっちり)や(パリッと)といった食べ口、食感に対しての味覚であり、またそれが良く売れるそうです。
これには目から鱗でした。
小麦粉の甘さだけを追求するのは、糖分の入らないバゲットのようなハード系に限ったパンであり、職人として非常に視野が狭いということに気が付いたのです。
その後、食感について調べると、元来日本は米文化であり、欧米人とは口内水分量が違い、お米的な食感が好まれることを学びました。昨今の生食パンブームも小麦の甘さというよりは、パン生地に砂糖や生クリーム、バターをふんだんに入れて食感を追求したものが人気となっています。
ただ、味覚や好みはどんどん進化していきますから、この先どんなパンブームが起こり、どんなパン文化が発展していくのか?冷凍パンは「焼きたて感」が命のパンです。
今は、パンの新しい旨さの基準を創ることが、漫然と描いている目標みたいなものになりました。
株式会社スタイルブレッド
代表取締役社長 田中 知
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