Mar 24, 2021

【うちのパンドのいるところ】vol.2 愉しむ暮らしをかご達とPan&(パンド)と。

Pan&かご

◆『世界のかご』に魅了され

「うちのパンドのいるところ」第2弾は『Pan&かご』。かごを見ると、ついついパンを入れたくなってしまう衝動に駆られてしまいます。パンとかごって、とっても相性がいいと思っています。

そこで今回の旅先は、東京都国立市にある「カゴアミドリ」さん。実はこの連載企画の発端となった、ずっと恋焦がれていた“かご専門店”さんなんです。お店にある世界中のかごの中から、Pan&にぴったりなかごをあるのかな?探しに行ってきました。かごとその手仕事から学ぶ楽しい暮らしについてご紹介します。

◆世界のかご専門店「カゴアミドリ」さんとの出会い

農業をしている知人が野菜の収穫の際に必要なかごを探していました。そんな知人が国立にかご専門店があるのを発見し、あまりに素敵なお店だったため、「絶対パンとかごの特集を!」そう提案してくれたのが、私とカゴアミドリさんとの出会いでした。

お店に行ってみて、かごの世界に圧倒されました。こんなにいろんな種類があるのか、という驚きと、一つ一つのかごを愛情と敬意もって展示されている、そんな雰囲気で、あっという間にカゴアミドリさんの虜になってしまいました。

今回は店主の伊藤 征一郎(イトウ セイイチロウ)さんにいろんなお話を伺ってきました。急なお願いだったにも関わらず、物腰柔らかな伊藤さんは快く引き受けてくださり、お店の印象は店主の柔らかな印象から来ているんだなあと、ほっこりしてしまいました。

お借りしたかごの一部

▲カゴアミドリさんのかごの一部

◆植物の生息地で違う様々なかご

お店には、今現在約30か国、500種類種くらいの世界各地のかごを取り扱っておられます。日本と海外で、ちょうど半々くらいの割合。知ったかぶって「文化や国ごとにかごの種類が違うんですよね?」とお尋ねしてみると、「国や地域というよりも、かごの材料となる植物の植生の違いでかごの違いが生まれる」と教わりました。国ごとに違う、と認識するのと、植生によって違う、と認識するのは大きな違いがあるように感じます。もちろん、国ごとに気候の特徴があるのは当然なのですが、日本は北は北海道~南は沖縄までの亜寒帯~亜熱帯の気候があり、世界的に見ても、かごとなる素材の種類がたいへん多い国の一つなんだそうです。
 

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◆「かご」が教えてくれること

蕎麦ざる

▲丁寧に編み込まれて作られているかご

国内のかごは店主の伊藤さんが、全て作り手にお会いされてから取引を始められるそう。もちろん、なかなか足を運べない海外との取引もあり、そんな場合でも、作り方の工程を知っているバイヤーさんに確認してからの取引に。「できるだけ産地に訪れ、その魅力と実情を多くの方に伝えることが、当店の役割だと思っています。」優しい口調の中に、凛とした姿勢で、伊藤さんは答えてくださいました。とても丁寧に、作り手の方の想いを大切にかごを扱っていらっしゃることがよくわかります。

カゴアミドリさんをはじめられたきっかけを伺うと、「『自然に負荷をかけないこと』、『途上国など、いろいろな国々とのつながり』の二つのテーマを実現できる仕事を探しているうちに、世界のどの地域でも身近に使われてきた「かご」の存在に気づいた」とのこと。

以前のお仕事の経験から、環境問題に関心を寄せられていたという伊藤さん。詳しくお話を伺ってみると、、企業が環境問題を意識した商品を作るのも必要だけど、買い手である消費者の暮らしから、自然に負荷をかけないようなことができないか、そう考えて地元の植物を生かして長く使える「かご」に着目したと、話してくださいました。この話には思わず「なるほど!」と何度も何度もうなずいてお話を聞き入ってしまいました。

かご4種

しかし、現在、かごの産地のほとんどは、安価で大量生産できる工業製品に押され、その存続が難しい地域ばかりなんだとか。作り手さんの高齢化や、かご作りにかかる多くの手間暇を価格に反映しにくいなど、後継者不足も目立っており、そんな状況を、かごの販売を通じて、できるだけ伝えようとされています。

私たちも、パンドの撮影ではかごを意識的に使っていますが、普段の暮らしの中では、プラスチックの入れ物や、紙皿を使うこともしばしば。こんなお話を聞くと、自分たちのいつもの暮らしは、どうかな?と恥ずかしながら振り返りました。

「かごは身近な植物を割いてから編むことで、道具へと形を変えるシンプルな道具。かごが生まれる産地や作り手のことが、身近に感じられる手仕事の一つ。」かごの魅力って、思っていたよりも、ずっとたくさんのことを私たちに教えてくれることなのかな、そう感じました。

◆かごとパンの熱い関係

お店ができた経緯を聞いて、かごに対して前のめりになり、今度はパンとかごについてのお話を聞いてみました。

かごに盛られたパン

▲かごに盛ったパン


「ビールとジョッキのような関係のように、パン屋からすると、かごを見るとついついパンを盛りたくなってしまいます!」

ちょっと前のめりに話をすると、伊藤さんはフランスのブーランジェリーで見た光景について、話を聞かせてくださいました。

「町のほとんどのパン屋さんで、焼きたてのパンがのせられているのはどれも、使い込まれたヤナギのかごばかりで感動しました。特に、バゲットを立てておける専用のかごがたくさんあって、どれも国内のかご職人さんにお願いしているそうです。地元の食文化が、こういった職人さんの仕事を支えていることを実感した機会でもありました。つい最近の時代までは、パンの発酵や、焼きたてのパンを並べるのも、天然素材のかごがあたりまえに使われている時代だったのではないかと思います。」

話を聞きながら、頭の中でパリのパン屋さんを想像してみるだけで、胸が熱くなりました。パン屋さんとかご屋さんの関係性が今でも生きて残っている街がある、それを知ってとっても嬉しくなりました。

でも、日本だと、例えば和菓子屋さんが竹かごを使って、というのがあってもいいように感じますが、自国のものを使われているところは少なく、プラスチック容器などを使った陳列も多くみられます。私たちも、まだまだかごを日常に取り入れられる余地があるのに、ちゃんと選べてないのかな、といろんなことを考えさせられました。

◆日常ではお皿のようにかごを使ってみる

かごに平置きしたパン

▲かごに並べたPan&

しかし、山盛りのパンを盛るってパン屋さんではできるけど、日常ではそもそもこんなにパン食べないな。そこで、伊藤さんから「お皿のようにかごを使ってみるのはどうか」と粋な提案をしていただきました。パンは盛るイメージが強いけど、一人や二人だと並べる方がよさそう、と。

Pan&も1袋のパッケージに2個入っているので、ちょこんと並べるのにちょうどよい大きさだと思ってくださってのこのご提案。とってもいい写真も撮れました!これなら、普段使いができ、すぐにでもやってみたいです。

伊藤さんおすすめはこちらの3つのかご達。

イギリスのヤナギのトレー 

スペインの栗のかご

長野の根曲竹の蕎麦ざる

◆自由な発想で使う愉しさ

蕎麦ざるに並べたPan&

▲蕎麦ざるに並べたPan&

かごは決まった使い方があるわけではなく、十人十色の使い方があるのです。蕎麦ざるだから蕎麦しか乗せちゃいけないことはありません!2つのパンドはぴったりで、めちゃくちゃかわいいではないですか。

伊藤さんも、普段の暮らしにかごを取り入れていらっしゃるそうですが、特に決まりきった使い方をしているのは、意外とわずかなんだそう。「台所で使っていたザルが、ある時はくだものかごになったり、パンかごになったりと、いろんな使い方ができるものがほとんどなので、その汎用性も楽しみのひとつです。」と、かごが暮らしを楽しくしてくれる道具なのを教えてくれました。また、使わないときは壁に掛けたり。子供の食器としても◎ですね。思い出にもなるし、落としても割れない!

人それぞれ使う目的が違うから、いろんな使い方ができるかごだからこそ、自由な発想で使ってほしいと伊藤さん。かごがあるだけで、どんなふうに使おうか、と暮らしを考えるのがこんなに楽しくなるなんて、新たな視点をいただきました。

◆毎日使うと長持ちするかご

長持ちするかご

▲様々な種類のかご

素材によって、経年変化しやすいもの、しにくいもの、艶がでるもの、でないものがあるそうですが、大まかには、毎日手で触れて使うことで色が深まり、結果的に長持ちするそうです。

逆に、ずっとしまいこんだり、直射日光に当てていると、素材が劣化する可能性があるようです。長い間置きっぱなしだとホコリが被るので、定期的に束子などで軽くブラッシングをしてあげるのがポイント。きれいになると同時に艶も増して行くそうなので、使えば使うほど自分だけのかごになるわけです!水洗いも可能だそうですが、できるだけ早く乾燥させることが長持ちさせる秘訣みたいです。

気に入ったものを長く大切に使って、かごが暮らしの中に溶け込んでいく様子を想像すると、早くお店に行って、自分だけのお気に入りのかごを見つけたくなりました。

◆正解はない、Pan&も選択肢の一つになれれば

かごに入ったパンドサンドウィッチ

▲お弁当用のかごに入ったサンドウィッチ

今回の旅は、パンドに合うかごを探そう、と出かけたのですが、カゴアミドリの店主伊藤さんをお話をしている中で、かごには汎用性があり、一人一人の暮らしに合った人それぞれの使い方ができることが魅力であることを知りました。

こうしなきゃいけない、という縛られた考えはなくって、使うものも食べるものも自分でちゃんと選択し、楽しく暮らしてほしい。スタイルブレッドも食事の選択肢の一つとしてパンがあることで、みんなの幸せな時間を演出できる、役に立てることがある、と本気でそう思ってやっています。この旅で私たちが大切にする思いを、より強固にしてもらえた気がします。カゴアミドリさん、伊藤さん、本当にありがとうございました。

「古くから続いてきた、かごがうみだされる背景を知ったり、今も世界のどこかでかごを編んで生活している人のことを想像することで、より愛着を持てたり、道具を使う楽しみを実感できると思います。今の生活において、すべての暮らしの道具を見直すことは難しいけれど、世界各地のかごを紹介することで、ちいさなきっかけづくりを提供できればと思っています。」カゴアミドリさんもこのような熱い想いで今後も活動していかれるそうです。

パンとかご

一人でも多くの人の心に、愉しむ暮らしの選択肢が増えればいいなあ。かごが、パンがあるじゃないか。(かご編おわり)

【うちのパンドのいるところ】Vol.3 コーヒーとパンで紡ぐ時間

取材先 カゴアミドリ

【写真】小野奈那子


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