May 19, 2017

ヒット商品「はちみつ豆乳パン」を開発したひと 小嶋 秀一さん

パンを生む場所・パンを生むひとfrom桐生vol.4

スタイルブレッドの本社があるのは、群馬県桐生市。群馬県東部に位置し、夏は国内でも群を抜いて暑く、冬は空っ風が吹いてとても寒い地域。赤城山などの山々、そして渡良瀬川に桐生川……夏はホタルが見られるほどの自然豊かな場所で、スタイルブレッドのパンはつくられています。「パンのある正しい場所 from桐生」では、そんな桐生での製造現場から、毎回さまざまなつくり手の声をお届けします!
数あるスタイルブレッドのパンのなかでも人気なのが、「はちみつ豆乳パン」。

この人気商品を手掛けた小嶋さんに、はちみつ豆乳パンのおいしさのヒミツを語っていただきました!

小嶋 秀一

老若男女に愛されるパンを!

●「はちみつ豆乳パン」を開発することになったきっかけは?

2016年10月、テレビ東京「ガイアの夜明け」で弊社を取り上げていただく機会がありました。その出演を機に、イオンさんで販売するための新商品を開発してほしい、と社長から依頼がありました。それまではどちらかというと、ホテルやレストラン向けの本格派なパンが多かったのですが、イオンで販売するにあたり、一般の幅広い世代の方に受け入れてもらえるパンをつくる必要があったんです。

●なぜ「はちみつ」と「豆乳」に?

老若男女のお客様に好まれる商品ということで、「やさしさ」「柔らかさ」「ヘルシーさ」、そして「ほどよい甘み」などが重要になってくると考えました。甘みは甘味料などではなくはちみつを使い、香りもたいせつに。そして豆乳を使うことで、牛乳よりも低カロリーでありながらコクもあり、しっとりとした食感になります。また今回、油脂はバターやオリーブオイルではなく、なたね油を使いました。クセがなく、他の素材の邪魔をしないため、はちみつの香りがより引き立ちます。カロリーは1個74キロカロリーと、一般のバターロールに比べると30~50キロカロリーも少ないんです!

香り、食感、かたち…すべてがベストな一品に

●開発で大変だったことはありますか?

社長から開発の依頼と同時に、「1週間後にはプレゼンで発表してほしい」と言われました。社長からある程度のアドバイスはもらっていたため、素材選びには時間がかかりませんでしたが、それぞれの素材の配合率を調整するのに苦労しましたね。はちみつの香りをたいせつにしたかったんですが、はちみつを多く入れすぎると、パンが膨らみにくくなるんです。なので、しっかりと香りを出しつつ、ふんわりと膨らむようにするためにはどうしたらよいか、1週間のあいだに何度も試作を重ねました。

●かたちにもこだわりがあるとか?

そうなんです。単なる丸いパンに見えるんですが、上部に切れ込みを入れています。これは、はちみつ豆乳パンが柔らかく、潰れやすい生地であることを考慮して、形が整うように入れている切れ目なんです。

人気商品のオススメの食べ方、そして今後の展望

●「はちみつ豆乳パン」のおいしい食べ方は?

できれば前日に室温に戻しておき、焼く前にトースターを予熱しておいて、2~3分焼いて食べるのが理想ですね。もっちりとした食感が特徴の群馬県産小麦を100%使用しているので、その食感をより楽しんでいただけると思います。そして、わたし的にははちみつをたっぷりかけて食べるのがおすすめです!はい、甘党なんです(笑)

●商品開発の楽しさややりがいを感じる瞬間は?

おかげさまで、はちみつ豆乳パンは思った以上に一般の方々から愛されるパンとなり、ラインナップのなかでも人気の高い商品になっているようです。一般の方から、「パン嫌いの子どもが、はちみつ豆乳パンならペロリと食べるんです!」という声をいただいたときは、本当にうれしかったですね。
入社13年目なのですが、作ることも食べることも大好きで、この会社に拾っていただきました。今でも、試作をしているときがいちばん楽しいんです。なので、1週間以内に開発しなくてはならなかったこの「はちみつ豆乳パン」の試作も、全然苦ではなかった。今後もはちみつ豆乳パンに続く、万人に愛されるパンを作っていきたいと思っています。

「お子さんにもおいしく、安全に食べてもらえる商品を意識していきたい」と語る小嶋さんは、3人のお子さんを持つパパでもあります。幼いお子さんがいらっしゃるからこその着眼点とやさしさが感じられる、「はちみつ豆乳パン」。こちらはオンラインストアで1袋(2個入り)194円から購入することができるほか、「はじめてパンセット」でもお楽しみいただけます(セットに2袋入り)。イオンの一部店舗でもご購入可能ですよ!

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ライター 岩﨑未来(Mirai Iwazaki)

鹿児島県出身。2児の母。

都内の大学卒業後、編集プロダクションや出版社に勤務。

第一子出産と同時にフリーランスに転向し、夫の故郷である群馬県に移住。

現在ふたりの子どもを育てながら、フリーライター・編集者として多忙な日々を送っている。

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